小児科・思春期内科・小児アレルギー科 // みらいクリニック(新座市)

み ら い ク リ ニ ッ ク

~小児科を中心とした地域医療と思春期医療のクリニックです(一般内科外来もあります)~

インフルエンザ

インフルエンザとは?

 インフルエンザウィルスにはA型、B型、C型の3つのタイプがあります。その年により流行は異なりますが、主にA香港型、Aソ連型、B型のどれかが流行します。C型は子供が感染し、再感染しないのが特徴です。
 症状はどの型もほとんど同じです。感染力は極めて強く、冬になるとほぼ毎年のように流行を繰り返し、しばしば爆発的な流行となり、家族全員が次々と罹患することが多く、ふだん風邪をひかない大人でも高熱が出ます。C型は比較的症状が軽い傾向にあります。
 インフルエンザの管理においては、十分な水分摂取と休息が重要な要素です。インフルエンザは自然治癒傾向のある疾患ですが、時には重大な合併症を起こすことがあるので注意が必要です。

「みなしインフルエンザ」とは?

 新型コロナ感染症が世界的に大流行(パンデミック)し、感染率が非常に高い為に発熱した人達が医療機関へ殺到しました。その為「発熱外来(指定医療機関)」が設置され、熱のある患者さんの検査治療を専門に行っていました。当時は発熱患者数が多すぎて外来での迅速検査キットが不足する事態になり、高い感染率を考慮し、発熱、咽頭痛、風邪症状、患者との接触状況を考えて、迅速検査や血液検査をしないでも「新型コロナ感染症」と診断していました(世間的には「みなしコロナ」です)。この時期は新型コロナ感染症以外の感染症が極端に減少していた為、「高熱・咽頭痛・鼻汁」イコール「新型コロナ感染症」と診断しても問題ありませんでした。「みなしコロナ」は傷病名でも医学用語でもありません。しかし、新型コロナ感染者の中に無症状感染者が多くいる事から、多くの人が迅速検査を希望するようになり市販の検査キットまで発売されました(自宅でセルフチェックできる時代になりました)。
 パンデミック終息後、季節性インフルエンザ(流行性感冒)の時期になり、迅速検査の有無に関係なく、発熱があり、学校や幼稚園、職場でインフルエンザ患者がいるので
「みなしインフルエンザ」と診断する医師が出始めました(「みなしインフルエンザ」は傷病名でも医学用語でもありません)。1999年にインフルエンザ迅速検査が発売される以前は、冬になり急激な高熱、風邪症状(咳嗽・鼻水)、全身症状(倦怠感・関節痛)があれば「インフルエンザ」と診断して薬を処方しました(今も「臨床症状と流行状況」で「インフルエンザ」と診断して問題ありません)。2000年以前の処方薬は「解熱剤」「風邪薬」などで、抗インフルエンザウィルス薬(タミフル・ゾフルーザ・イナビルなど)はありませんでした。経過中に「二峰性の発熱」が認めれれると「インフルエンザ」と確信できます。季節性インフルエンザ流行期にも溶連菌感染症、感染性胃腸炎、普通感冒などの「発熱」を示す疾患が多くあり、新型コロナ感染症のパンデミック時のように流行状況だけで判断する事は非常に危険です。季節性インフルエンザは新型コロナに比べて、感染率も致死率も低いウィルス性感染症です。
 外来で迅速検査陰性の発熱患者を「インフルエンザ」と診断(世間的には「みなしインフルエンザ」)しても問題ありませんが、全身状態が良好(軽症)でリスクがない場合に抗インフルエンザウィルス薬を処方する必要はありません。以前と同じように、ウィルス性疾患の基本治療である免疫力を高め(安静・栄養・水分)、対症療法(解熱剤・風邪薬など)で治療するのが理想的と考えます(欧米の考え方が正しいと思います)。また、迅速検査は補助的診断であり、診断に必須ではありません。
 日本の医療の主体が保険診療である為、迅速検査を行い、抗インフルエンザウィルス薬を投与した方が保険点数が上がり利益になるのは事実です。

症状(臨床像)は?

①潜伏期:1~2日
②発病:非常に急激に上昇する高熱で始まります。
③全身症状:発熱(38.5℃以上)、全身倦怠感、頭痛、腰痛、関節痛
④呼吸器症状:鼻汁、咽頭痛、強い咳嗽(咳き込む事もある)
⑤消化器症状:嘔吐、腹痛、下痢
特徴的な発熱(二峰性):第1回目の発熱(39℃前後)が2~3日続き、一旦解熱し再度発熱します。第2回目の発熱は、一般に第1回目の発熱より軽いことが普通ですが、時に熱が5~7日続くこともあります。
⑦異常行動:発熱後2日間に異常行動・異常言動を認めることがあります。

年齢による症状(臨床像)の特徴

①乳児(6ヵ月未満):一般に最高発熱は低く、合併症も少ない。病期も短く軽症であることが多いが、年少児であるので細心の注意が必要です。
②幼児:発病は急です。発熱は各年齢層で最も顕著で、二峰性の発熱を示すことが多い。中耳炎、気管支炎、肺炎、鼻出血、下痢、嘔吐、脳炎、Reye症候群等の合併症が多い。
③年長児・学童・成人:発病は急で、発熱の程度は幼児ほどではありません。しかし全身倦怠感、関節痛、腰痛、筋痛等は著明です。
④インフルエンザB型では、希に急性筋炎を起こし、これは急性呼吸器疾患の5~7日後までに出現し、特に腓腹筋のおける筋力低下と疼痛、ミオグロビン尿症を特徴とします。

家庭看護

 無理に寝ることはありませんが、家でのんびりしてることが一番です。厚着をさせたり、コタツにもぐり込ませたりする必要はありませんが、寒くない程度の暖房、暑すぎない程度の調節をしましょう。加湿も必要です。食欲はなくて当り前です。子供の好きなもので消化のよいものを与えます。水分は十分に与えて下さい。

次の診察は?

 指示した日、薬のなくなる日などに(大体2~3日おきに)受診して、余病を起こしてないか診てもらいましょう。 「薬だけ下さい」と言うのは重い病気を見逃すもとですから、止めましょう。元気がなくなった、何度も吐く、咳で夜眠れない、などいつもと違うぞと思ったら、早めに受診して下さい。

うがいの効果は?

 一般にうがいは効果があると言われていますが、インフルエンザウィルスは、のどに付着してから20分程度で細胞内に取り込まれるため、その効果はきわめて限られます。

ワクチンを接種しても、風邪をひくのはなぜ?

 本来、風邪とインフルエンザはウィルスが異なります。風邪を引き起こす病原体は他にもたくさんあります(約200種類)。それらによって、風邪を引いている可能性があります。

ワクチンは毎年接種が必要か?

 ワクチンは、インフルエンザの発症を予防するために免疫を獲得させます。インフルエンザウィルスが体内に入ってきても、獲得した免疫で退治します。インフルエンザウィルスは毎年変異しますので、毎年接種が必要です。

インフルエンザで使用禁忌の解熱剤は?

 平成10年12月、サルチル酸系医薬品について、15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とする。
【薬品名】小児用バファリン、バファリン、EA錠、アスピリン、サチボンなど

 平成12年11月に厚生省よりジクロフェナクナトリウム含有の解熱剤とインフルエンザ脳炎・脳症の重症化との因果関係は明確には認められておりませんが、ジクロフェナクナトリウム使用群については有意に死亡率が高いこと等を含め、インフルエンザ脳炎・脳症において、ジクロフェナクナトリウムの投与を禁忌する旨、通知がありました。
【薬品名】ボルタレン、アデフロニック、サフラック、アナバンなど

 平成13年5月、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会における日本小児科学会、研究者等の意見をふまえ、メフェナム酸を「小児のインフルエンザにともなう発熱に対して基本的に投与しない」旨が合意された。
【薬品名】ポンタール、スパンタックなど

インフルエンザの検査とは

 インフルエンザに罹っているかどうかを調べる方法には、色々ありますが、確定診断は血液検査が一般的です。
 外来にて補助的診断として、咽頭粘膜・鼻腔粘膜を綿棒で強く擦り検査する方法(発熱38℃以上が6~8時間以上経過してから検査)がありますが、インフルエンザウィルスに感染していなくても陽性と判定されたり、感染していても陰性と判定されることがあります。保険適応があるのは発症後48時間以内で1回だけです。診断に絶対必要な検査ではありません。抗インフルエンザウィルス薬を使用しない場合は不必要な検査です。また、迅速検査の費用は診察料よりも高い金額なので医療費は高額になります。
 確定診断には臨床症状(高熱など)やその他の検査結果(白血球減少など)を考慮することが必要です。

抗インフルエンザウィルス剤(内服薬)タミフル(オセルタミビル)について

 A型およびB型インフルエンザウィルス感染症に有効であり、インフルエンザウィルスの増殖を抑制します。インフルエンザ様症状(全身症状)発現後48時間以内に内服する必要があります。本剤はインフルエンザ感染症のすべての患者に必須でなく、患者の状態を十分観察した上で、必要性を慎重に検討する事が求められています。
 体重が約37kg以上の場合は、1日2回、1回1カプセルを5日間を限度に内服します。体重が約37kg以下の場合は、1日2回、ドライシロップを5日間を限度に内服します。

 インフルエンザ罹患時に「異常行動」を起こす事があり、「異常行動」による転落等の事故を防止するための対策として、①異常行動の発現のおそれがる事、②自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じる事、について患者・家族に対して説明を行う事を処方医に求めています。なお、転落等の事故に至るおそれのある「重度の異常行動」については、就学以降の小児・未成年者の男性で多く、発熱から2日内に発現する事が多い。
 平成19年3月21日、厚生労働省より「未成年者のタミフル服用後の異常行動等による死亡が認められたことにより、因果関係は不明であるが、10歳以上の未成年者については合併症や既往歴によるハイリスク患者以外は原則、タミフルの使用を控える」よう緊急安全性情報が出されました。なお、現在、年齢制限はありません。
B_Dl.gifタミフルドライシロップ添付文書
B_Dl.gifタミフルカプセル75添付文書

抗インフルエンザウィルス剤(吸入剤)イナビルについて

 A型およびB型インフルエンザウィルス感染症に有効であり、インフルエンザウィルスの増殖を抑制します。インフルエンザ様症状(全身症状)発現後48時間以内に内服する必要があります。本剤はインフルエンザ感染症のすべての患者に必須でなく、患者の状態を十分観察した上で、必要性を慎重に検討する事が求められています。
 本剤は純国産の長時間作用型のノイラミニダーゼ阻害剤で、本剤による治療は1回で完結します。また、タミフル(オセルタミビル)の5日間投与と同等の効果を示します。
10歳未満は1容器(セット)、10歳以上は2容器(セット)で1回分です。
 インフルエンザ罹患時に「異常行動」を起こす事があり、「異常行動」による転落等の事故を防止するための対策として、①異常行動の発現のおそれがる事、②自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じる事、について患者・家族に対して説明を行う事を処方医に求めています。なお、転落等の事故に至るおそれのある「重度の異常行動」については、就学以降の小児・未成年者の男性で多く、発熱から2日内に発現する事が多い。
B_Dl.gifイナビル添付文書
B_Dl.gifイナビル使用説明書
B_Dl.gif保護者の皆様へ

抗インフルエンザウィルス剤(内服剤)ゾフルーザについて

 A型およびB型インフルエンザウィルス感染症に有効であり、インフルエンザウィルスの増殖を抑制します。インフルエンザ様症状(全身症状)発現後48時間以内に内服する必要があります。本剤はインフルエンザ感染症のすべての患者に必須でなく、患者の状態を十分観察した上で、必要性を慎重に検討する事が求められています。
 臨床試験の段階から高率で低感受性株(ゾフルーザが効かない変異ウィルス)の出現が判明しています。特に12歳未満の小児では低感受性株の出現頻度が高くなっています。
 10mg錠と20mg錠は生物学的同等性を示されていない為、20mg以上の容量を投与する際には10mg錠を使用できません(10mg錠を2錠処方できません)。
本剤は単回経口投与で効果があります。
 インフルエンザ罹患時に「異常行動」を起こす事があり、「異常行動」による転落等の事故を防止するための対策として、①異常行動の発現のおそれがる事、②自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じる事、について患者・家族に対して説明を行う事を処方医に求めています。なお、転落等の事故に至るおそれのある「重度の異常行動」については、就学以降の小児・未成年者の男性で多く、発熱から2日内に発現する事が多い。
B_Dl.gifゾフルーザ添付文書

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tami75cap.jpgタミフルカプセル75mg tamids01.jpgタミフルドDS・オセルタミビルDS osel75mg.jpgオセルタミビル錠75mg
xfl10mg.jpgゾフルーザ錠10mg xfl20mg.jpgゾフルーザ錠20mg xflg.jpgゾフルーザ顆粒
ina_dv_1_1007.jpgイナビル吸入粉末剤20mg relenza-img-patient.jpgリレンザ

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